サプライヤーの海外展開を総合的に支援、事業機会の創出に貢献

ヱトーと取引のあるサプライヤーの中には、減少する国内事業だけでなく、海外へ事業展開したいサプライヤーが多くいます。その思いを後押しするように、BtoBの世界でもインターネット上の取引が一般化しつつあり、海外メーカーも常に良いビジネスの種をインターネット上で探索しています。これまでのように日本から一方向的に輸出していくことから、双方向的な事業環境が形成され始めています。
ヱトーが今回海外展開の支援を行ったサプライヤーは、高い技術力を持つ精密バネメーカーです。支援は台湾の通信関連機器メーカーがHP上で直接アプローチしてきたことから始まりました。台湾の通信関連機器メーカーは、要求する精密バネを製造できるメーカーが台湾にいなかったことから、インターネット上でこのサプライヤーを見つけ、アプローチしました。
サプライヤーにとっては魅力的な引き合いではありましたが、海外取引経験がない上に、言葉の壁や安定供給体制に不安を抱えており、取引に踏み出せずにいました。そこでヱトーでは、このサプライヤーの海外事業展開に伴う、あらゆる課題解決を行うために総合的な支援を始めました。

ヱトーでは、サプライヤーの海外展開を成功させるために、サプライヤーの不足する3つのファンクションを提供しました。それは、➀台湾拠点を含むグローバルネットワーク、➁輸出入のノウハウを含む貿易業務、➂品質保証・品質管理機能の補完、です。
まず➀のグローバルネットワークでは、ヱトーの現地拠点を活用し、台湾メーカーの「企業調査」や「現地打ち合わせ」などサプライヤー単独では難しい機能を補完しました。また、➁の貿易業務では知見のないサプライヤーに代わり、ヱトーの海外営業部が「輸出シミュレーション」や輸出に関わる「貿易実務」を担うことで取引上の課題解決を行いました。
そして、最後に➂品質保証・品質管理機能では国際取引上、必要となる国際標準規格への準拠対応、検証・検査方法の策定など、グローバルで通用する品質保証・品質管理体制を築く機能を提供しました。
このようにサプライヤーの不足するリソースに対して、商社機能だけでなく品質保証に力を入れるヱトーならではのファンクションを組み合わせることで、海外展開を現実的なものにしていきました。その他にも事業継続性を判断するための「事業性評価」や「環境配慮型の物流提案」など総合的に支援することで、サプライヤーの海外展開を強力に推し進めました。

これら総合的支援により、2021年時点で台湾のメーカーと実際に取引が始まり、生産段階に入りました。ヱトーでは、現地スタッフによる技術打ち合わせや、台湾拠点の最適在庫保有によるサプライヤーの生産調整など、継続的に支援を続けています。
精密バネのサプライヤーからは初の海外展開を通して、新たな開発機会創出への期待の声も上がっています。海外市場には、日本の高い技術力を活かした事業機会がまだまだ多く存在しています。ヱトーではこのような高い技術力を持つサプライヤーの海外展開を支援することで、サプライヤーの新たな事業機会創出に貢献したいと考えています。