グローバルに展開するサプライヤーネットワークであらゆる調達リスクに備える

Case Study

グローバルに展開するサプライヤーネットワークであらゆる調達リスクに備える

事業分野
住宅設備
サプライチェーン
調達
Case Study

グローバルに展開するサプライヤーネットワークであらゆる調達リスクに備える

住宅設備 / 調達
ケーススタディ概要

Overview

地球温暖化により世界各地で多発する自然災害、予測不能な感染症の発生などがビジネスにもたらすリスクはより一層高まると予想されています。新型コロナウィルス感染症は、このリスクが世界的に顕在化し、大きな影響を与えた出来事となりました。
その上で有事に製造業のサプライチェーンを切れ目なく維持させることは、事業継続性の観点からますます重要性を増しています。この事例では新型コロナウィルスにより、顧客に生じた調達・デリバリーリスクを解消するためにヱトーが行った取組を紹介します。

Issues

顧客は、新型コロナウィルス感染拡大の影響で調達先の中国工場が閉鎖。部品調達ができず生産ラインが停止するリスクが生じた。

Solutions

ヱトーのサプライヤーネットワークから影響が少ないサプライヤーを選定し、迅速なサプライチェーンの組み替えを提案。

Outcome

生産ラインは停止せず、迅速な組み替えにより正常化した。コロナ禍において顧客の事業活動が継続的に安定化している。
抱えていた課題

Issues

中国・武漢から世界各地に拡がった新型コロナウィルスは、製造業のサプライチェーンに多大な影響を与えました。製造現場の停止、輸出入の遅れにより各メーカーは部品調達ができない等、多くの不測の事態が発生しました。その背景には、感染拡大以前から進行してきた製造業の「グローバル化と分業化」が大きく起因しています。
これまで製造業では「一社・一拠点」から「グローバルの多拠点・多サプライヤー」へと分業化を推し進めることで「高品質(Quality)」と「経済性(Cost)」を獲得してきました。その結果として、納期遵守などデリバリー価値は相対的に高まる一方で、リスク要因にもなっていきました。
今回、顧客の住宅設備メーカーは、これまで中国で部品調達を行っていました。しかし、新型コロナウィルス感染拡大の震源地となった中国の調達先工場が閉鎖されたことで、顧客の生産ラインが停止する恐れが生じました。生産ラインを停止することはメーカーにとって、大きな損失になるだけでなく、信頼性の喪失に繋がります。そこでヱトーは、この生産ライン停止を起こさないための調達・デリバリー課題の解決を目指しました。
ヱトーの提供した解決策

Solutions

現在、ヱトーのサプライヤーネットワークは国内とアジア圏を中心に約850社に上ります。各地に分散していることで、今回のような調達リスクにおいてもスピーディな調達先の変更、供給分散化を可能にしています。
顧客には、当時まだ影響の少なかった日本国内のサプライヤーを選定し、すぐ切り換えるよう提案しました。中国では国を挙げたロックダウンが行われており、いつ工場閉鎖が解除されるのか、解除しても今までと変わらず輸入できるのか、これまで誰も経験したことのない不明瞭な状況が続いていました。顧客もこの予測できない状況の中で事態の収束を待たずに提案を受け入れていただけたことで、サプライヤーと迅速に連携したデリバリーリスクの解消・安定供給に向かうことが出来ました。
今回の新型コロナウィルスのような感染症は自然災害と異なり、リスクを抱える地域が時間と共に移り変わっていきます。現在、安定供給できている地域が翌月も変わらず供給できるか、誰にも保証できません。グローバルのサプライヤーネットワーク、供給分散化はこのような時間軸を伴うリスクの地理的推移に対してレジリエンスを有しています。ヱトーではこのネットワークを活かし、刻一刻と移り変わる各地の状況に伴い、柔軟にサプライヤーを組み替え、連携を行うことで未然にデリバリー危機を防いでいます。
創出した成果

Outcome

結果的に顧客の生産ラインは停止せずに、今も消費者に遅れなく商品を提供できています。そこには売上増など数字に現れてくるような華やかな成果はありません。しかし、これだけの有事の際に顧客の事業が安定的に、そして継続的に営まれていることが何よりも成果であると考えます。
現在も世界で収束の見えない新型コロナウィルスに限らず、大地震や洪水などの自然災害は、より一層ビジネスにおいても考慮すべき重大なリスク要因となり続けていくでしょう。その際に、製造業のグローバル化と分業化の中で、安定供給とデリバリーを死守するために、ヱトーでは支援を続けていきます。